パシフィック・ストーリー(東京・札幌連絡きっぷ)使用譚

暮れ正月期間に帰省しない代わりに、時期を少し遅らせて帰省するようにしている。今回は1月まるまる休暇を取ったので、普段乗ったことのない交通機関を使ってみよう。特に長距離フェリーを使ってみたいと思っていた。

調べてみると、大洗~苫小牧を結ぶフェリーがあり、その前後に高速バスの乗車券がセットになった「パシフィック・ストーリー」という企画乗船券がある。
商船三井フェリー | フェリー&高速バスのお得な連絡きっぷ
これだと東京駅~水戸駅~大洗フェリーターミナル~苫小牧フェリーターミナル~札幌市内まで9,990円で旅行ができる。フェリーに乗るだけだと8,740円なので、ずいぶん割引されているようにも見えるぞ。

「パシフィック・ストーリー」でフェリーに乗るためには、まず乗船予約をする必要がある。乗船予約は電話ですればよく、乗車したい日付・便の時間・乗船したい部屋のランク・名前・連絡先電話番号を伝えると、予約番号(数字5桁)とアクセスキー(数字3桁)が伝えられる。この「予約番号」と「アクセスキー」の双方は、当日の乗船手続き時に必要になる。忘れずに両方をメモしていくこと。
あとは乗船当日(または前日)に高速バス窓口で「パシフィック・ストーリー」で旅行したい旨を伝えれば良い。あらかじめ乗船予約しているか尋ねられるので「はい」と答えればよい。

「パシフィック・ストーリー」は大きく4つのクーポンで構成される。東京発札幌行の場合で説明すると、1つ目は「東京駅八重洲口~水戸駅前」の高速バス乗車券。2つ目は「水戸駅~大洗フェリーターミナル」の路線バス乗車券。3つ目は「大洗フェリーターミナル~苫小牧フェリーターミナル」の乗船券。4つ目は「苫小牧フェリーターミナル~札幌市内」の高速バス乗車券。もう一つクーポンがあるのだが、これは「イーグルライナー(札幌~知床)の当日乗継500円割引券」。知床方面に行きたい人だけが使えばよい。

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これらのクーポンのうち、「水戸駅~大洗フェリーターミナル」の路線バス乗車券は、茨城交通の50系統「茨大前営業所~水戸駅那珂湊駅」で使うことができる。大洗フェリーターミナルを経由しない便の場合、「大洗派出所」バス停で下車するように案内されている。もし「大洗派出所」で下車せずに乗り続けると、乗り越し扱いにできる。そのため、「水戸駅から乗車し、アクアワールド大洗で下車」する場合、全区間運賃は740円だが、乗り越し区間の運賃である280円を支払い、クーポンを運転手に渡せばよい。もちろん、復路となるアクアワールド大洗からフェリーターミナルまでの移動は別途支払う必要がある。茨城交通の50系統は1時間に1本程度あるし、大洗町内の循環バスもあるので、時間を確認すれば良い。タクシーも呼べばくるだろうし、道のりは4km程度なので1時間程度歩くことも不可能ではない。

また、これらのクーポンのうち、「苫小牧フェリーターミナル~札幌市内」の高速バス乗車券は、下車前途無効と書かれている。下車前途無効の意味からすると、これは、途中の苫小牧駅前バス停で下車できる。もちろん、苫小牧駅前→札幌市内を放棄することが前提だ。そのため、札幌方面ではなく、室蘭方面に向かう場合も「パシフィック・ストーリー」は使い道がある。